【プレスリリース】認知症予防にはこんにゃく由来グルコシルセラミドが効果的 ~植物セラミドでヒト脳内アミロイドß蓄積抑制を確認~
我が国では認知症患者数は400万人を超え,そのうちの60%以上を占めるアルツハイマー病の予防法・治療法の開発は喫緊の課題となっています。アルツハイマー病の発症原因の一つは、アミロイドßが脳内に過剰に蓄積することとされており、その蓄積抑制は予防を目的とした先制治療薬や機能性食品素材の開発戦略の一つとなっています。
このたび、北海道大学大学院先端生命科学研究院、株式会社ダイセル、北海道情報大学健康情報科学研究センターと共同でヒト介入試験を実施し、植物由来セラミドが脳内アミロイドßペプチド(※)蓄積を軽減させることを発見しました。この研究成果から、植物セラミドはアルツハイマー病の予防・治療への活用が期待されます。
本研究成果は、2021年8月30日(月)公開の『薬理と治療』(2021年49巻8号)に掲載されました。なお、本論文は2019年公開のScientific Report(2019年9巻1号)に掲載されたモデル動物を用いた研究成果の続報です。
※ アミロイドß ペプチド … アミロイドß前駆体タンパク質(APP)から切断されて産生される約40アミノ酸からなる生理的ペプチド。アルツハイマー病では,このペプチドの過剰な蓄積がアルツハイマー病発症の引き金と考えられている。